革靴のケアにあたっては実に様々な道具があります。
有名なところではほこりを払う靴ブラシ、汚れを落とすクリーナー、革に栄養を与える靴クリーム。既に持っていて普段のケアに使っているという方も多いのではないでしょうか。

写真のスティックのようなものですが、これを見て何に使う道具かピンときた人はかなりの靴磨き好き、そして革靴好き、さらに言うとコードバン好きではないでしょうか。
この度ご縁がありまして、札幌市で活動されている作家、辻有希(Tsuji Aki)さんにお願いして北海道の木材の”イタヤカエデ”を使用して
”Northern multi wood stick”
を製作いただきました。
主にコードバン(馬の臀部の革の一部分)製の革靴の革の毛羽立ちを寝かせるのに使用します。また、アッパーの傷やちょっとしたクレーター等の革表面の凸凹を整えたりするのにも使え用途は様々ですので”multi”と名付けております。
構想は今年の年明けぐらいから。以前からお世話になっているお客様のご紹介で辻さんと出会い、”北海道の素材で北海道の作家さんに作ってほしい想い”を打ち明けたら快諾いただけ、企画がスタートいたしました。
辻さんは国内外で活躍されている作家さんで、個展もこれまでいろんなところで行っておられます。是非辻さんのweb siteをご覧いただき知っていただければ幸いです。
ファーストサンプルの段階でかなりの完成度で、柔らかい曲線はまさに辻さんのお人柄を表すようで、スティックの握り心地も肌馴染み良く、わずかな調整のみで完成まで辿り着きました。何度も繰り返し試しておりましたが使い心地も素晴らしいです。そこまで大きすぎることはないので、女性の手にもフィットするかと思います。

素材は上にも書いた通り”イタヤカエデ”ですが、その中でも特殊な表情の出た希少な部分を使用して製作いただいています。楽器にも使われるような高級感漂う素材です。
泡杢(あわもく)

泡が浮き上がってくるように見える丸い模様。角度によってキラキラと光る上品さがある。動物の毛並みのようにも見えます。
スポルテッド

木が何らかの原因によって傷つけられ、そこから雨水などが染み込み、内部に細菌などが入り込んで、繁殖することでできる黒い帯状の模様。変色。
そのまま切り倒されることなく木が育っていくと腐って脆くなっていくのですが、腐る前に木を切り材料としてしっかり乾燥させられれば、腐ることなく模様だけがしっかりと残る。
(大抵の場合は菌によって腐って脆くなってしまうので、材料として使えるほどのスポルテッドは珍しい)
バーズアイ

鳥の眼のような小さな丸い円形状の模様。木材屋さんに聞いたところ、主に外国産のメープルに現れるのが有名ですが、今回のように同じ種の日本の楓に見られることはとても少ないそうです。
また、仕上げとして日本の伝統的な技術の柿渋染めを行い色止めの加工も行なっています。
全て手作業での製作となるため、数も限定数とはなってしまいますが、是非店頭にてご覧いただければ幸いです。

”Northern multi wood stick”
- 発売日:8/23(土)12:00~
- 価格:税込¥13,200-
- 取扱:Brift H SAPPORO, Brift H 青山
※札幌店での販売に関してですが、8/23(土)・24(日)の二日間は店頭販売のみとし、その翌日25(月)以降は在庫が残っている場合のみ通販での対応もいたします。あらかじめご了承くださいませ。
※気になる点があればお気軽にお問い合わせください。
次回は早くても1年程度はリリースが難しいと既に辻さんからご連絡をいただいておりますので、気になる方は是非この機会にお見逃しの無いようお願いいたします。
発売まで今しばらくお待ちくださいませ。
Brift H SAPPORO
林田
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